【観光用語おさらい】アドベンチャーツーリズムとは
こんにちは、合同会社観光ラボの狩野です。
本日は、前回記事でご紹介した「持続可能な観光開発」と並んで注目を集めているキーワード、「アドベンチャーツーリズム」についてご紹介します。
アドベンチャーツーリズムは、その名の通り、冒険的でエキサイティングな野外体験を提供する旅行形態です。
伝統的なツアー旅行よりも、旅行者によるアクティブな参加が求められることが特徴です。
例えば、山岳地帯での登山や急流での川下り、果ては砂漠でのサバイバル体験などもアドベンチャーツーリズムの一つです。
現在、アドベンチャーツーリズムは欧米で人気を博しており、アドベンチャーツーリズムのトレンドとしては、以下のような要素があります。
「大人数でのツアー」から「冒険の旅」へのシフト
かつて、観光旅行はバスツアーやオーケストラなどの大所帯で行われるものでしたが、
現代では何歳でも身体を動かすことを楽しめるアドベンチャーツアーが人気になっています。
環境と自然に配慮した旅行
アドベンチャーツーリズムを好む顧客層は、自然環境に配慮し、サステナブル=「持続可能」な旅行を行うことを求めます。
このような顧客を獲得するためには、大量に消費を行うスタイルの旧来の観光ではなく
自然と触れ合い、地元の文化と交流することで、地域社会に貢献する旅行体験を提供することが求められます。
デジタル技術の活用
アドベンチャーツーリズムにおいては、GPS技術やアプリケーションを活用し
最新の情報を提供することで、利用者の観光体験をより豊かにするようになってきています。
これは日本で登山やハイキングを楽しむ方にも、「ヤマップ」などのアプリはすでに普及していますよね!
近場で手軽な自然体験
日本でも、新型コロナウイルスの流行以降、
「マイクロツーリズム」など、住んでいる地域の近辺でちょっとしたお出かけ・旅行を楽しむことがトレンドになりました。
アドベンチャーツーリズムにおいても、自然体験を提供する数時間~1日の短期コースを提供する観光事業者が増えてきています。
自然体験は、健康的で手軽なエクササイズであり、手軽に参加可能であることが魅力です。
アドベンチャーツーリズムは、より活動的な顧客層に訴求する、アクティブな旅行の手段として、ますます普及していくことが予想されます。
アドベンチャーツーリズムを好む顧客層は活発で、旅行中の支出額も「街歩き」型の旅行に比べると、アクティビティの分だけ客単価が高くなります。
新たな顧客層を開拓したいとお考えのDMO・観光地の皆様は、ぜひアドベンチャーツーリズムの要素を織り込んだ観光資源・商品の開発に取り組んでみてください。
ではまた次の記事でお会いしましょう!
狩野
狩野詔子 Shoko Kano 合同会社観光ラボ 代表社員 中小企業診断士(近畿経済産業局 経営革新等支援機関), インダストリアル・エンジニア 2018年より、中小企業診断士事務所を経営し、東北~関西の観光業のお客様の経営支援を行い、お客様の利益拡大に貢献してきた。 データ活用支援、生産性向上を得意とする。 大阪府中小企業診断協会 観光・サービス経営研究会 発起人 神戸山手大学 非常勤講師(観光学科)、関西国際大学 非常勤講師(観光学科)を歴任。 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、ヤマハ株式会社を経て現職。 中央大学法学部 卒、京都大学 観光経営学講座修了、米国セントラルフロリダ大学 観光地経営・マーケティング Grad Certificate修了。 |
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